酒ふりーく

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日本酒の製造工程

日本酒は「米と工事と水を発酵させて、こしたもの」。このシンプルな材料でどうやって日本酒が造られるのか、その製造工程を順を追って説明します。
 
1.米の下処理

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精米
米を削ることを「精米」と言います。(「磨く」ということもあります)
米の外側には脂質やタンパク質があり、それらが多いと雑味を感じるため、米の外側を削ります。
日本酒のラベルに「精米歩合」の表示がありますが、「精米歩合:60%」だとすると、40%を削り60%が残っているということになります。

蒸し米
洗ったあと、適度に水分を吸った状態で甑(こしき)という蒸篭のようなものに入れて米を蒸します。
米を蒸すことによって、外側は硬く、内部は軟らかく溶けやすく蒸された外硬内軟(がいこうないなん)の蒸米に仕上げることが大切です。
また、殺菌効果もあります。


2.一麹二酛三造り
 
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麹造り
蒸米から米麹を作ります。造りともいいます。
麹菌を米に付着させ、米の中で麹菌を繁殖させます。質の良い麹になるかどうかは、日本酒の質を左右してしまうほど重要な工程です。

酒母(酛)造り
蒸米と水、米麴を混ぜ入れて、酵母を1~2週間かけてゆっくりと繁殖させます。これが酒母(もと)になります。このとき、雑菌の増殖を抑えるために乳酸菌を使います。
酒母は「酒の母」と書くように日本酒造りにおいてとても重要な意味を持っています。


醪(もろみ)造り
蒸し米でできた蒸米、製麹でできた米麹、酒母造りでできた酒母に水を加えて醪を作ります。仕込みともいいます。
1日目を初添、2日目は踊り(中一日空ける)、3日目を仲添、4日目を留添という工程を踏むため、三段仕込みと呼ばれています。
仕込みが終わった後は約1か月かけて発酵させます。麹によって米のデンプンが糖に変わり、同時に、酵母は糖を分解しアルコールと炭酸ガスを生成していきます。


3.仕上げ
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上槽(じょうそう)
醪に醸造アルコールや副原料が投入し、これを搾って、白米・米麹などの固形分(酒粕)と、生酒となる液体分とに分離します。

滓引き(おりびき)
細かくなった米や酵母などの小さな固形物(滓)を沈殿させ、上の澄んだ部分を抽出します。

ろ過
滓引きをしても残っている細かい滓を活性炭など使ってろ過し、完全に除去します。

火入れ
「火入れ」と呼ばれる加熱処理をすることにより、日本酒から酵母菌をなくし、発酵をストップさせます。発酵が止まることで、日本酒の味わいを一定に保つことができます。

貯蔵
火入れをした後、貯蔵タンクで6ヵ月から1年間ほど貯蔵します。これにより日本酒はまろやかな味わいに変化していきます。
 
割水
できあがった日本酒に水を足しアルコール度数を調整する作業のことを割水といいます。具体的には20度くらいあるアルコール度数を15度~16度に調整します。また、味わいのバランスも整えるためにも割水は必要な作業です。
 
火入れ/瓶詰
瓶詰の前にもう一度火入れをして日本酒を安定させます。