酒ふりーく

初心者が奥の深い日本酒を研究するページ

日本酒を極めるということ

日本酒を極めるというと、思い浮かぶ人がいます。それは元上司(Iさん)なのですが、日本酒に対する知識が半端なかったです。また、プレミアムがついている日本酒を定価で手に入れることに情熱を燃やしていました。仕事より日本酒?と思えるほどの熱心に情報収集をしている姿を見て、極めるとはこういうことなんだな、と感心させられました。


そんなIさんに一番最初に飲みに連れて行っていただいたときに飲んだのが、十四代 本丸でした。ご存知の方も多いと思いますが、十四代 本丸は本醸造です。そのあとに何を飲んだか覚えていませんが、吟醸酒大吟醸酒を飲ませていただいたと思うのですが、本醸造酒である十四代 本丸が一番おいしかったと記憶しています。ここで大吟醸だから美味しいというわけではないということ知ったわけです。作り方によっては本醸造でも大吟醸並みに美味しい日本酒が作れるということを知ったのは自分にとって大きな経験だったと思っています。


そんな話は20年以上前の話なので、それ以来、いろいろな日本酒を飲んできました。でも正直に言って、日本酒のうまさを理解しているわけはなく、Iさんの膨大な知識をわけてもらいながら、銘柄だけを見て日本酒を飲んできたという、なんとももったいない話です。日本酒のうまさを言葉で表現するのは難しく、私の表現は、「うまい」「苦手」の2種類しかありません。わかりやすくいうと「〇〇 大吟醸だから美味しい」と思い込んで飲んでいたわけです。それではもったいないな、と思って記録を残そうと思ったのも、このブログを始めたきっかけでもあります。


最後にIさんはお金を惜しまず高級な日本酒を飲むのはもちろんですが、カップ酒も普通に飲むんです。このひと味をわかって高い日本酒を飲んでいるのかすごく疑問でした。ちょこっと飲みに行くときなどは300mlの瓶に入った日本酒を飲むのです。先ほど書いたように私は銘柄で決めつけて飲んでいたので、そういうときに日本酒は美味しいと思ったことはありません。イメージで味を決めつけて飲むなんて日本酒に失礼な話です。でも、いまになって思うのは、日本酒が好きな人はどんな日本酒だって好きなんだ、ということです。日本酒にはいろんな味があり、それぞれにうまさがあるはずです。そこを理解しようとしなかった自分をいまは恥ずかしく思うばかりです。日本酒を極めるということは、知識だけではなく、日本酒全部を好きになることなんだと気づきました。


Iさんは退職されてもう何年もたってしまいましたが、年に一度はお会いして飲みに行く間柄なのですが、コロナウイルスの影響でしばらくお会いしていません。コロナウイルスの心配がなくなったら、またお会いして、今度は銘柄ではなく、味について聞いてみたいと思います。